令和6年3月19日
福岡商工会議所
会頭 谷川 浩道
マイナス金利政策の解除については、今回はよいタイミングでなされたと受け止
めている。
このまま異次元の金融緩和が継続されるとすれば、投資を誘発する効果に乏しいど
ころか、物価上昇の下ではかえって消費を抑え込むので、景気を下支えすることはで
きず、逆にマイナスの効果しかない。
また、ここ2年ほどの急激な円安は、主にマイナス金利政策が招いたものと考えら
れる。
円安により大企業は利益を享受してきたが、中小企業は円安によるエネルギー・原
材料価格の高騰を価格転嫁できずに収益が圧迫され、厳しい経営を迫られてきた。こ
の度のマイナス金利政策の解除により、欧米との金利差が縮小していくことになれば、
中小企業はやがてこうした苦しみから解放されることになろう。
ただ、急激に金利が上がると市場や経済活動に混乱を招きかねないので、当局には
慎重なハンドリングをお願いしたい。急激な金利上昇は中小企業の経営を圧迫し、銀
行にとっても信用コストの上昇を招き、また住宅ローン等の返済にも悪影響を与える
おそれがある。あくまでも当局には丁寧に正常化を進めていただきたい。
以上