「福岡県最低賃金の改正決定について(答申)」に対するコメント

令和6年8月9日

「福岡県最低賃金の改正決定について(答申)」に対するコメント

福岡商工会議所
会頭 谷川 浩道

 本日、福岡県最低賃金に関し、本年度は51 円(5.42%)引き上げ、1時間992 円とすることが妥当であるとの答申がなされた。この引上げ額は過去最大であり、公労使で議論した結果、昨年から続く賃金・物価の大幅な上昇を反映したものと受け止めている。

 中小企業・小規模事業者の賃上げへの対応は二極化し、労務費を含む価格転嫁の取組みは緒に就いたばかりで、未だ十分でない。このような中、最低賃金が大幅に上昇することは、物価高・人手不足に苦しむ中小企業、特に小規模事業者の経営や雇用への悪影響を懸念するところである。また、県内でも地域や業種によって経営状況等は異なっており、今後の影響については細かく分析していく必要があると考える。

 政府におかれては、中小企業・小規模事業者の自発的かつ持続的な賃上げに向け、価格転嫁、特にサプライチェーンの末端まで適正な取引が進むよう、下請け法の執行強化等の取組みを一層強力に進めていただきたい。また、生産性向上への支援を強化していただきたい。
 加えて、最低賃金の大幅な引上げが企業経営や地域の雇用に与える影響について、地域別・産業別に調査・研究を行った上で、最低賃金のあるべき水準や決定方法など最低賃金の在り方について議論を進めていただきたい。

以上