事業を始めるにあたり、資金調達は重要になってきます。国・福岡県・福岡市ではそれぞれ創業者向けに融資を準備しており、福岡商工会議所の相談窓口ではそれら各融資のご説明と計画書作成のお手伝い、および融資斡旋を受け付けております(福岡商工会議所の斡旋を以って融資が行われることを確約するものではありません)。
ここでは、福岡商工会議所でお取り扱いしている融資のほか、創業融資の申し込みの流れ、創業融資成功のためのチェックポイントなどについてご紹介します。
福岡商工会議所においてお取り扱いしている融資は大きく分けて次の2つがあります。
日本政策金融公庫は国が100%出資している政府系金融機関で、2008年に国民生活金融公庫(国金)・中小企業金融公庫・農林漁業金融公庫が統合して発足しました。
全国的に各地の商工会議所・商工会と連携を緊密に取りながら、創業融資のほか、創業後の設備・運転資金の融資についても受け付けています。
制度融資とは、県や市といった自治体が県信用保証協会の保証付きで中小企業者(融資申込者)の信用を補完して長期・低利で融資を受けられることを目的として運営されている制度です。
これから創業しようとする方や小規模事業者は、一般的には経営のリスクが高いとされているため、民間の金融機関単独での融資(これをプロパー融資と言います)ではなく、保証協会付きの融資を求められる傾向にあります。
日本政策金融公庫 | 福岡県信用保証協会 | ||
---|---|---|---|
福岡市 | 福岡県 | ||
融資制度名 | 新規開業資金 | スタートアップ資金 | 新規創業資金 |
保証料率 | 0% (全ての融資に保証料なし) | 0%(創業融資のみ保証料なし) | |
取扱融資の詳細一覧 (創業以外の融資含む) | |||
公庫・福岡県・福岡市の融資をまとめた一覧はこちら |
福岡商工会議所で融資斡旋を申し込む流れについてご説明いたします。日本政策金融公庫と福岡県信用保証協会のいずれにおいても最初の相談から融資申し込みまでの流れは同じです。保証協会を利用したときのみ、審査は金融機関ではなく保証協会が行います。
創業融資申し込みの流れは以下の通りとなります。まずはお気軽に窓口へお越し下さい。
事前予約制にてご相談を承っております。各オフィスへご連絡ください。(受付時間 平日9:00~17:00)
お客様の事業構想や自己資金等についてのヒアリングを行い、申し込む融資制度を決定します。
創業計画書の作成方法についてのご説明のほか、作成した計画のブラッシュアップ等のお手伝いをさせていただきます。
作成した創業計画書のほか、申込書や各種必要書類を揃えて窓口へお越し下さい。
申込書に福岡商工会議所の斡旋印を押印し、書類一式を厳封してお渡しします。
「4」でお渡しした封筒を日本政策金融公庫 国民生活事業の窓口へご提出下さい。
「4」でお渡しした封筒を融資を希望する金融機関の支店窓口へご提出下さい。
※提出先は信用保証協会ではありません。書類は金融機関経由で信用保証協会へ送付されます。
「4」でお渡しした封筒を日本政策金融公庫 国民生活事業の窓口へご提出下さい。
「4」でお渡しした封筒を融資を希望する金融機関の支店窓口へご提出下さい。
※提出先は信用保証協会ではありません。書類は金融機関経由で信用保証協会へ送付されます。
日本政策金融公庫または福岡県信用保証協会の担当者より連絡がありますので、日程調整のうえ面談を行います。
日本政策金融公庫または福岡県信用保証協会の担当者より審査結果の連絡があります。
融資審査通過の場合、金融機関との契約締結を経て、入金となります。
融資申込書類の窓口への提出<上記手順5>から金融機関からの入金<上記手順8>までに要する日数は短く見積もって1ヶ月程度です。申込前にも創業計画書の作成や各種書類を揃える必要があるため、窓口へは余裕を持ってお越し下さい。
※①融資の種類によっては取扱金融機関へ直接申し込めます。
※⑧保証料は借入に対する割合の範囲が定められており、審査結果に応じて変動します。
ただし、創業融資の保証料は0%で固定です。
※⑨金利は県や市が定めたものが適用されます。
創業融資を成功させるためには、ご自身の状況だけでなく、周囲の協力や綿密な事業計画を策定することが不可欠です。
以下の事前チェックポイントを参考に可能な限り多くのチェックがつくようにして融資の成功確率を少しでも上げましょう。
事業内容・事業の見通しについては、「事業計画の策定」をご参照下さい。
項目 | 内容 | 理由 | |
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諸支払い | 税金の未納や滞納はありませんか? | ○融資の前提条件として「払わなければならないお金を遅れなくきちんと払ってきた」ことがあります。 ○金融機関から金銭感覚がルーズと判断された場合、資金調達は困難となります。 | |
公共料金の未納や滞納はありませんか? | |||
家賃や住宅ローンの未納や滞納はありませんか? | |||
創業動機 | 創業は思いつきではなく、以前から検討していましたか? | ○創業動機は、事業への熱意が求められます。 ○創業には夢がありますが、リスクもあります。 ○創業後は、収入が安定しない、家族の時間が十分にとれないといった状況も予想されます。 ○こうした困難を乗り越えるためには、事業にかける強い想いと周囲のサポートが不可欠です。 | |
実現したいことが明確ですか? | |||
家族や周囲の理解はありますか? | |||
経験 | 事業に必要な経験を積み重ねてきましたか? | ○経験は、事業の実現性を示すポイントです。 ○何年以上勤務という条件はありませんが、必要な知識やノウハウをいつ、どうやって身に付けたのかを説明することが求められます。 ○また、商品・サービスの提供だけでなく、人事や経理等の事業運営全般の知識も必要となります。 | |
勤務経験での実績(業務、役職等)を説明出来ますか? | |||
自己資金 | 必要額の1/3程度を準備出来ていますか? | ○自己資金は、事業の安全性や計画性を示すポイントです。 ○金融機関は、目標に向かってコツコツと貯めてきた自己資金を見て、経営者の資質を評価します。 ○自己資金の真偽は、通帳等で蓄積過程がチェックされるため、タンス預金ではなく銀行預金で準備する必要があります。 | |
自己資金はコツコツ貯めたものですか? | |||
事業内容 | 事業のコンセプトは明確ですか? | ○事業計画は金融機関の評価点を踏まえて作成します。 必要性:なぜ今この事業に取り組むのか? 優位性:競合や代替サービスに勝てるか? 市場性:市場やニーズはあるか? 収益性:費用対効果はあるか? 実現性:これまでの経験を活かせるか? 将来性:今後の成長発展が見込めるか? 等 ○この内容を踏まえ、コンセプトに基づいた一貫した計画を5W2Hでまとめます。根拠については、数値とデータで説明出来るように準備をします。 | |
ターゲット、商品、立地等がコンセプトに合っていますか? | |||
競合に比べて優れている点が説明できますか? | |||
これまでの経験が活かされている点を説明出来ますか? | |||
事業の見通し | 予想される売上高や経費の根拠は明確ですか? | ○事業の見通しを具体的な数値で示します。 ○数値については、積算を明確にし、達成するために必要となる活動も説明出来るようにします。 ○金融機関は手堅い数値を好みます。具体的には、業界平均と比べて大きな乖離がない、損益分岐点売上高が低い、利益が少ない場合の補てん財源がある、といった内容です。 | |
手堅い収支計画となっていますか(売上は少なく、経費は多く見積もっていますか)? | |||
生活費確保や借入金返済が出来る利益となっていますか? |
福岡商工会議所 中小企業経営支援部
東部オフィス・中央オフィス(TEL:092-441-2161)
南部オフィス(TEL:092-562-4117)
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