令和7年4月3日
九州商工会議所連合会 会長
福岡商工会議所 会頭
谷川 浩道
米国において、日本を含む各国から輸入される自動車を対象に25%の追加関税が発動された。
九州は、4社の完成車工場と約1,200 の自動車関連企業・事業所が集積し、国内生産の15%を担う「カーアイランド」である。また、その輸出額は、九州の輸出品目の中で年間約2兆円超と最も多く、そのうち米国向けが2割を占めるなど、九州にとって極めて重要な基幹産業である。今回の措置により、九州各地のサプライヤーの受注が減少し、関連企業全体の設備投資の抑制や雇用にも影響を及ぼす恐れがある。
この状況に対し、政府は、引き続き、日本が関税措置の適用除外となるよう粘り強く交渉されたい。
加えて本日、日本を含む貿易相手国に「相互関税」を賦課し、日本には24%を課すことが発表された。
米国は、九州にとって中国・韓国に次ぐ3番目の貿易相手国で、九州全体の輸出額の約13%を占めており、幅広い産業が影響を受ける。今後、サプライチェーンの再構築を余儀なくされ、中小企業・小規模事業者の経営に深刻な影響を及ぼすことを懸念する。とりわけ、取引条件や契約の見直しを迫られ、適正取引の実現が難しくなることを危惧する。
政府には、中小企業・小規模事業者への影響を最小限に抑えるため、相談体制の整備や資金繰りの支援はもとより、下請法や優越的地位の濫用に対し厳しい指導を行い、中小企業が適切な取引条件を維持できるよう、支援体制の整備・強化を求めたい。
九州の各地商工会議所は、事業者への経営相談を通じて課題の把握や解決に努め、必要な措置について自治体や行政に求めていく。
以上