事業部販売企画課 主任の久野里香さん

『リテールマーケティング（販売士）検定試験』は、現場で役立つ販売接客の技術だけでなく、在庫管理からマーケティング、労務・経営管理に至る幅広い知識が身につく流通・小売分野で唯一の公的資格です。
試験科目は「小売業の類型」「マーチャンダイジング」「ストアオペレーション」「マーケティング」「販売・経営管理」計5科目で構成され、小売業の基礎知識がバランスよく身につきます。
今回は、福岡空港ビルディング株式会社事業部販売企画課主任の久野里香さん（販売士2級資格保有）にお話を伺いました。

まず、現在の仕事内容について教えてください。

主に、店舗で取扱う商品の発注やメーカー担当者様と商品についてやり取りをしています。また、店舗でお受けしたお客様からの声（ご要望など）は、社内で集約・共有されますので、それを参考にして新規取扱いするか否かの検討もしています。さらに、店舗改装時には、店舗レイアウトを考えることも現所属課の業務の一つです。

最近実施した商品展開について教えてください。

日本酒の取扱い商品数は増えています。海外での日本酒人気は高く、知名度の高い日本酒を中心に商品数を広げていて、今後も一定の効果が期待できます。他にも、九州・福岡独自の商品として、九州各地から取り揃えた焼酎や、明太子などの福岡の食品も好評です。た、最近は韓国のお客様にチューブの明太子が人気で、「低単価でまとめ買いできるので配るのに便利なところ」や、「皮を破らずに済むので食べやすいところ」などが理由の一つだと思います。購買層については、日本のお客様を意識するのはもちろんのこと、福岡空港国際線を利用する外国人客数はここ数年でかなり増加していますので、それらを考慮しながら商品展開や発注数など決めています。来日される方の国籍は中国や韓国、台湾など。アジア圏でも近隣諸国の方が多いのでそこは特に意識しています。他にも、ベトナムなど東南アジアから団体のお客様にお越しいただくこともありますし、時期によってはヨーロッパへの便も就航しているので、多くはないですがヨーロッパからのお客様もいらっしゃいます。しかし、現状は便数を考慮しても、中国や韓国、台湾からのお客様が多いです。

販売士の資格を取得されたきっかけは何でしたか。

様々な商品を幅広く取り揃える福岡空港免税店

所属している事業部が販売士検定に力を入れてきたという背景もあって、次第にこの資格を意識するようになりました。
会社から販売士３級の受験を勧められたのが最初のきっかけです。また、３級を取得してからしばらくして２級を受験したのですが、そこに至るまでには３、4年ほど期間が空いていました。３級を取得した頃は店舗での販売業務がメインであり、売場のレイアウトなど店舗販売に結び付いた分野には自信を持っていましたが、店舗全体の売上や利益など販売の数字的な部分については課題を感じており、なかなか受験に踏み切れませんでした。ただ、仕事を続けて商品管理や後輩に指導する立場になるうち、いっそうそれらの知識の必要性を強く認識するようになり、販売士２級の受験にチャレンジしようと思いました。

販売士資格取得に向けてどのような勉強方法で取り組まれましたか。

公式テキストを中心にして学習に取り組みました。リテールマーケティング（販売士）検定試験は学習すべき範囲の幅広さが特徴なので、まずは実際の業務に関連する分野や自分が興味を持つ分野から取り掛かりました。学習を通じて、これまで曖昧に捉えていた知識がしっかり体系化していくのを実感し、学ぶのが楽しみになっていきましたね。

資格取得前と取得後の変化はありましたか。

資格を取 得してからは、業務のなかで気をつけていた商品の見せ方やレイアウトだけでなく、お客 様のニーズに応えながら自分たちのPRしたい商品をどのように伝えていくかについていっそう積極的に取り組めるようになりました。店舗や商品事業部販売企画課 主任の久野里香さん様々な商品を幅広く取り揃える福岡空港免税店ごとにふさわしい展開方法を考え、価格ごとに異なる商品の陳列と空間の使い方や、お客様に視線を向けていただけるレイアウトなど、売場や商品が抱えている課題に対してより具体 的に、説得力ある答えを持てるようになったと感じています

資格を取得してよかったことを教えてください。

販売士2級の受験の際に学習した、利益率や損益等の数字的な知識が今の部署に異動してからとても役に立っています。売場で販売業務に従事していたときよりもさらに、視野を広げて日々の売上や利益を踏まえて企画を検討する際、資格取得を経て培った知識が活かされていると感じますね。店舗で設定された価格がどのようにして成り立っているのかを知ることができましたし、企業を経営していくためにはどれだけの利益が必要なのか、そのために必要な売上はいくらかなどを考えるための知識を身につけることができ、勉強してよかったと思うことばかりです。

これから販売士の資格取得へチャレンジする方々へメッセージをお願いします。

販売士という資格は業務に対して密接に繋がっている資格です。学習を通じて得た知識は自分の強みに繋がりますし、この資格を取得できたということが更なる自信にもなると思います。弊社でも資格取得に向け学習している社員は多く、相談を受けた際には、「あなたが今の現場で実践している分野はあなたにとっての強みだから、それを踏まえて自分が課題と思う分野を補うように学習してはどうか」とアドバイスすることもあります。
私自身の経験ですが、自分自身の日々の行動に説得力や自信がいっそう持てるようになりました。必ずプラスになる資格だと思っています。