九州産業大学 情報科学部情報科学科 准教授 田中 康一郎氏
当研究室では2009年度から科学技術振興機構 研究成果最適展開支援事業A-STEPで採択された“低環境負荷型高輝度インテリジェント魚群コントロールLED照明の開発”を行っています。当研究室で行っている産学連携事業の中の一つであるこの研究では、最近注目されているLED照明技術とディジタル無線通信技術を融合することで、従来の集魚灯であるアナログ制御のメタルハライド灯に比べて、同等の明るさを維持しつつ10分の1以上の省電力化を実現できるだけでなく、魚群に必要な色彩を発光することができ、さらにそれらの動作を記録し再現できるようになります。また制御する配線を無線化することで、照明配置の制約や海水などによる配線腐食などの問題を緩和することができます。
この課題は鹿児島大学と交和電気産業との共同研究として実施しており、当研究室は、主にLED照明のディジタル制御基板と、そのLED照明を無線通信で制御できるコントローラの開発を担当しています。PWM方式で照明を制御するために開発した、無線通信可能な専用基板(図1)は、BluetoothとZigBeeの2つの無線通信規格で送受信できる機能が搭載されているため、LED照明を無線で制御することが可能です。このLED照明のコントローラは、WindowsベースのノートPCや今流行のAndroidベースのスマートフォンや、タブレットPCを利用して開発しており、100m以上の離れた距離から制御することができます。2010年の6月には、北九州で開催された西日本総合展示会(図2)にこの照明システムを出展し、好評を得ることができました。
その他、本学の文系学部(経営学部事業開発コース)と理工系学部を含んだ産学連携事業では、本学学生証に採用されている非接触ICカードを利用して、タッチパネル式端末とデータベースで構成される電子マネーシステムの構築を行い、経済産業省が行っている社会人基礎力コンテスト九州大会において、準優勝を受賞しました。また上記LED照明で用いた無線通信機器(ZEAL)のメーカーであるエイディシーテクノロジーとの共同研究や、iPhone/iPadのアプリケーション開発など、外部との共同研究に積極的に取り組んでいます。