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九州産業大学工学部電気情報工学科 教授 工学博士 川口俊郎 氏

九州産業大学工学部電気情報工学科 教授 工学博士 川口俊郎 氏

光触媒活性および放射線誘起表面活性を定量的に測定する方法

シーズの概要

若い頃学校で習った授業のなかに「触媒」という言葉があったことを覚えていらっしゃる方が多いと思います。触媒とは、特定の化学反応において反応速度を速める物質で、物質自身は反応の前後で変化しないものを言います。身近には、白金やバナジウムが自動車の排気ガス浄化に使われています。

経済産業省の「化学統計月報」によると、我が国では、石油化学品製造用等の工業用触媒や、自動車排ガス浄化用等の環境保全用触媒として、2006年度には6576億円が生産されています。これらの触媒のなかには、光触媒物質として酸化チタンが含まれています。酸化チタンのような半導体物質に紫外線を照射すると、物質表面が活性化し、まわりの有機物を分解します。光触媒には、殺菌機能、防染機能、浄水機能、脱臭機能、大気浄化機能等があり、現在、光触媒関連の国内市場規模は400億円と試算され、将来は環境や省エネルギーの観点から、数兆円の市場規模が見込まれています。

ところで、DVDを始めとした電化製品や自動車等各種の製品には、必ずと言っていいほどJIS規格があります。光触媒に関しても、経済産業省ではJIS規格制定に向けて取り組みがなされています。現在、光触媒の性能評価は、@色素脱色法、Aガス分解法等が行われていますが、これらの評価方法は光触媒反応の活性を直接測定する方法ではありません。従って、公正な性能評価やそれを裏付けるJIS規格も未だ不十分な状況です。

一方、放射線誘起表面活性とは、酸化ジルコニウムのような金属酸化皮膜に放射線を照射することにより、表面に「防錆」や「濡れ性の向上」などの効果が生じる現象です。原子炉の熱効率向上や防錆効果の高い材料開発等で注目されています。

いずれの現象も原理は同じで、半導体や金属酸化物の物質に光や放射線で一定以上のエネルギーを与えると、物質内部で電子や正孔の電荷分離が起こり、その結果表面に活性イオンが生じて、これらが表面活性をもたらすものです。これまでのところ、この「活性イオン」を定量的に測定する技術は開発されていませんでした。

川口研究室を中心とした九州産業大学研究グループでは、光触媒や放射線誘起表面活性において発生する活性イオンを電荷量(10−16Aレベル)として測定する方法・装置を開発し、特許出願(特願2007-201747)をしました。この技術の基本は、2006年6月に特許登録された「超高抵抗測定装置及び超高抵抗測定方法」(特許第3817537号)の技術です。本技術により、これまで不十分であった光触媒活性のJIS規格化と光触媒製品の世界規格化が大いに期待できます。

光触媒活性定量測定装置装置【特願2007-201747】(バックグラウンド測定部、光触媒反応中間体電荷測定部、コンピュータで構成されている)

シーズ提供大学

九州産業大学(学術研究推進機構 産学連携支援室)
福岡市東区松香台2-3-1
tel 092-673-5050