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大学発 研究成果・テーマ情報

福岡大学 理学部 化学科<br>併任講師 安東 勢津子 氏

福岡大学 理学部 化学科
併任講師 安東 勢津子 氏

「アンジオテンシン変換酵素(ACE)活性測定用蛍光基質の開発と
それを使った高血圧抑制食品の探索」

シーズの概要

(1)原理

現代社会において、高血圧は深刻な生活習慣病の一つです。その原因の一つと考えられているACEは、肺や血管内皮細胞などに存在し、“アンジオテンシンT”という物質を、強い血管収縮作用(血圧上昇作用)を持つ物質“アンジオテンシンU”に変換・産出する酵素です(図1)。一方で、この酵素の働きを抑え、“アンジオテンシンU”を減少させて血圧を下げる“ACE阻害物質”も知られています。

そこで、ACEの働きやすさを調べる方法があれば、高血圧症とACEとの関連を化学的に解明したり、どのような食品・成分がACE阻害物質を含んでいるのか調べたりすることができます。今回、今までの方法より簡便かつ検出感度の高い測定法として、蛍光性基質を考案し、それをACEに作用させる方法を考えました。

この蛍光性基質は、アンジオテンシンTと同様にACEが作用できるペプチド鎖をもつとともに、片末端(N–末端)に蛍光発光性の2–アミノ安息香酸を、逆の末端(C–末端)の方に芳香族アミノ酸のパラニトロフェニルアラニンを導入し、互いに作用して消光を起こすようなペンタペプチドです。ACEがこれに作用すると、C–末端からジペプチドを認識して切り離します。すると、図2のように消光の影響がなくなり2–アミノ安息香酸の蛍光強度が増加します。

この蛍光基質を用いる測定法は、従来の方法と比較すると、以下の点が改良されました。

  1. これまでの面倒な操作が一切不要
  2. 多数のサンプルが一度に測定できる
  3. ACEが作用する反応時間、反応温度を制御しやすい
  4. 阻害物質を入れたときの反応速度(ACEの働きやすさ)から阻害活性が計算でき、サンプル盲検の必要なし 図1生体内でのACEの作用および図2蛍光基質へのACEの作用
  5. 感度が良い(100倍以上)ためスケールダウンでき、低コスト化に

その結果、時間、労力、精度、コストのいずれにおいても飛躍的に改善できました。

(2)応用

表に示すような、健康食品素材のACE阻害活性を測定できました[月桂冠株式会社総合研究所提供]。

今、社会では健康食品や機能性食品ブームですが、この蛍光測定法を用いると、血圧を下げる効果をもつ物質の検索を簡単に測定できるので、製品開発が期待できます。

主な健康食品素材のACE阻害活性

シーズ提供大学

福岡大学(研究推進部)
福岡市城南区七隈8−19−1
tel 092-871-6631
E-mail:sinko@adm.fukuoka-u.ac.jp

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