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特集 発想の転換が明暗を分ける
中小企業におけるワークライフバランス

企業におけるワークライフバランスとは、仕事と家庭生活の調和を図り、従業員の幸福を増すことにより、仕事の成果をもあげるというプラスの循環を生み出すもの。しかし、マイナスの通説——子育てしていない従業員にはメリットがない、コストがかかって企業にメリットが少ない、中小企業だと導入しにくい——が流布し、取り組みに及び腰になっている状況が見られる。実は中小企業にとってこそ有益な方策となりうるにもかかわらず。

そこで今回は、この分野における研究の第一人者である渥美由喜氏に、考え方や取り入れ方のポイントを紹介していただこう。さて、通説の真偽は…。

はじめに

子育て先進自治体としての福岡県・福岡市

内閣府が1982年から2002年における出生率や女性有業率をもとに各都道府県の「子育てのしやすさ」、「働きやすさ」を比較した調査がある。それを見ると、福岡県は東京都、大阪府などと並んで「子育てしにくい」、「働きにくい」自治体となっている(図表1右の網掛け部分)。

図表1】「子育てのしやすさ」、「働きやすさ」のタイプ別分類
合計特殊出生率の減少率(1982-2002) 平均以下 平均より上
合計特殊出生率の水準(2002年) 平均以上 平均未満 平均以上 平均未満
女性有業率の水準(2002年の水準) 平均以上 平均未満 平均以上 平均未満 平均未満 平均以上 平均未満
タイプ名 タイプ1 タイプ2 タイプ3 タイプ4 タイプ5 タイプ6 タイプ7
都道府県名 熊本県・山形県・長野県・佐賀県・青森県・山梨県・福島県・富山県・鳥取県・岩手県・宮崎県・福井県・三重県・島根県・群馬県・静岡県 香川県・大分県・山口県・長崎県・鹿児島県・岡山県・沖縄県 岐阜県・高知県 秋田県・愛知県 滋賀県・栃木県 新潟県・石川県 徳島県・大阪府・愛媛県・北海道・和歌山県・福岡県・兵庫県・茨城県・広島県・神奈川県・東京都・京都府・宮城県・埼玉県・千葉県・奈良県
図表2】2007年上半期の出生増加率(対前年比)トップは福岡県
1位 3.2% 福岡県
2位 3.1% 茨城県
3位 3.1% 岩手県
4位 2.3% 東京都
5位 2.2% 広島県
(資料:総務省調べ)

しかし、その後は、大幅な変化が起きている。すなわち、産みやすく育てやすい環境・働きやすい環境は依然として自治体によって濃淡があるものの、大幅に入れ替わる兆しがある(図表2)。

2007年上半期の出生増加率(対前年比)の上位県をみると、トップ5県のうち4県(福岡、茨城、東京、広島)はかつて(図表1)「産みにくく、働きにくい自治体」だった。これまで、筆者がこなしてきた自治体ヒアリングで、担当者が知恵と情熱を傾けていると感じる都道府県では数年後に出生回復しているケースが多い。

先だって、11月27日には、福岡県の「子育て応援宣言企業1000社突破」の記念大会が開かれた。そこで私は、講演をさせていただいた。講演の中で、「福岡県・福岡市の子育て支援の取り組みは、確実に『新しい波』を起こしつつある。福岡から全国へ!と波を広げていただきたい。」と申し上げた。

実は福岡県は、子育て支援、働きやすい環境作りの取り組みでは、日本のトップランナーなのである。

本稿では、「ワークライフバランス」(仕事と家庭生活の調和)に関して、実際に中小企業の現状はどうなのか、また企業業績にどのような影響を与えるのかを述べたい。なお、ワークライフバランスという言葉を本稿では「両立支援」と言い換えたい。

「中小企業の職場環境は遅れている」は間違い

中小企業は仕事と育児が両立しにくい職場環境だとしばしばいわれる。わが国の「次世代育成支援対策推進法(次世代法)」は、企業に行動計画の策定を義務づけているものの、同法は従業員300人以下の企業については「努力義務」となっており、中小企業に関して実効性は薄い。

育児休業制度など仕事と育児を両立しやすくする制度を見ると、たしかに中小企業は大企業と比べて導入が進んでいない。しかし、中小企業は遅れていると結論づけるのは早計だ。実は、中小企業だからこそ両立しやすい面もある。

数年来、富士通総研は、中小企業庁の委託を受けて、中小企業における子育て支援への取り組みの実態を調査してきた。イギリスを中心とした欧米の中小企業40社、日本の中小企業200社にヒアリングを行なうとともに、企業アンケート(2500サンプル)および従業員アンケート(4500サンプル)に基づく実証分析を行なった。その結果「中小企業は両立支援が遅れている」という通説は一面的な見方で誤りであることが明らかになったのである。なお、成果の詳細は、2006年度の中小企業白書(第3編第3章)に掲載されたので、関心がある方はそちらもご高覧いただきたい。

「仕事と育児の両立」に適した中小企業

アンケート調査からは、「仕事と育児の両立」に関して以下のような中小企業の特長が浮かび上がった。

1企業規模が小さい企業において、両立が「しやすい」と回答する割合が高い
2女性社員が出産後、復職する割合が高い
3育児で離職した女性の再就職先の受け皿となっている
4両立支援に関する制度は整っていないが、柔軟に対応している
5中小企業の女性従業員ほど子ども数が多い

例えば、子ども数については、面白いデータがある。中小企業では大企業よりも、女性従業員の年齢が高いため、子ども数が多くなってしまう。このような年齢構成による影響を除去して考えるためには、「合計特殊子持ち率」(一人の女性従業員がその企業に15歳から49歳まで在籍したと仮定した場合に持つと考えられる子ども数)が有効である。

筆者がいくつかの企業の協力を得て「合計特殊子持ち率」を算出したところ、中小企業は大企業を大きく上回った。さらにこの傾向は、両立先進企業でより顕著となる。実は大企業では、両立先進企業と一般企業で合計特殊子持ち率に大差はない。これは、両立先進企業の従業員のほうが一人目の子どもを持つ確率は高いのだが、二人目、三人目を持つ人は多くないからである。しかし、両立先進的な取り組みを行なっている中小企業では、合計特殊子持ち率が2.0程度のところがいくつもあった。

中小企業で仕事と育児を両立しやすい要因

中小企業で、従業員が仕事と育児を両立しやすい要因を整理すると、以下の五つがあげられる。

1「能力」を評価し、キャリアロスが少ない
2役職の階層がフラット
3職住近接の職場環境
4職場に子どもを連れてこられる雰囲気
5女性活用をめぐる多様性

まず1について。企業規模別に従業員が育児休業や短時間勤務の利用を躊躇してしまう理由を見ると、中小企業ほどキャリアロスへの懸念は小さい。これは、中小企業では、人事評価者と評価される側とで長期的な人間関係を築いているため、能力を把握したうえで評価されているからと考えられる。また、中小企業ほど異動周期が長く、転居を伴う異動が少ないなどの特徴がある。

育休後に職場復帰したとき、休業前の「仕事の出来」を知っている同僚がいるかどうかは、その人の「本来の能力」に基づいた処遇を行なうための大きな要素となる。したがって、人事異動が頻繁に起こらない異動慣行があり、人事評価者が評価する従業員の「本来の能力」を把握できる中小企業では、仕事と育児を両立しやすい職場になっていると考えられる。

続いて2「役職の階層がフラット」という点。大企業は中小企業に比べるとピラミッド型組織で役職がより細かく設定されているため、より短い期間で昇進・昇格し、二、三年のブランクが影響してしまう。これに対し、中小企業はおおむね組織がフラットであり、休業による一時的なブランクはキャリアにさほど影響しない。

3「職住近接の職場環境」について。中小企業の従業員は大企業の従業員に比べれば通勤時間が短い。

4「職場に子どもを連れてこられる雰囲気」がある。中小企業には家族的な面があるため、職場に気軽に子どもを連れていける場合が少なくない。「職育近接」である。

最後に5「女性活用をめぐる多様性」である。中小企業のなかには、従来型の男性中心の企業もあれば、女性が従業員の大半を占める企業もあり、女性活用の面では大企業と比べても多様性に富んでいる。そして、女性社員が多い職場ほど、仕事と育児が両立しやすい職場環境となっている。

中小企業モデルの新しい少子化対策が必要

従来の大企業型の少子化対策は、育児休業制度を筆頭に、制度を整備していくことに腐心する傾向がある。特に、厚生労働省が主導する両立支援策は、制度の整備を進めるとともに、行動計画などの書類を形式的に提出させることで実践を担保しようという考えのように思える。

しかし、書類を提出するだけで実践が担保されるわけではない。むしろ中小企業の実践は、行動計画の枠組みには収まらない柔軟さと組織業務体制の変革を伴うダイナミックなものである。とうてい書類の提出だけで把握しきれるものではない。中小企業の現場に足を運んで職場の雰囲気を体感し、経営者の生の声を聞くことで見えてくる部分は非常に大きい。

そのように考えて、筆者は精力的に企業ヒアリングを続けてきた。そのうえで、大企業型の少子化対策を中小企業に押しつける手法の限界を強く感じている。たとえば、行動計画の提出は、現在は従業員数301人以上の企業を対象とするのが基準だが、これをさらに下げることで、中小企業の取り組みを進めようという動きが厚生労働省にあると聞く。だが、その実効性には大きな疑問を感じる。

これからは「中小企業モデルの新しい少子化対策」が必要だ(図表3)。今回の分析で抽出された中小企業の特性を普及する形の新たな少子化対策を立案することが重要だ。

【図表3】中小企業モデルの新しい少子化対策(イメージ図)

最近、筆者は大企業に講演で呼ばれて、「中小企業のユニークな取り組みを教えてほしい」と求められる機会が増えている。

そして、大企業も事業所単位でみれば、従業員規模は中小企業と大きな違いはない。したがって逆に、中小企業モデルの少子化対策を大企業の事業所単位に応用していくことも考えられる。

大企業の本社から地方の事業所に同一制度を押し付けるという中央集権的な方法ではなく、各事業所長へ大幅に権限委譲すればいい、そして各事業所が知恵を絞って両立しやすい環境をつくることを競い合うように仕向けるべきだ。これからは中小規模のユニットでの新しい少子化対策こそが求められているのだ。

ところで筆者は最近、日本各地に呼ばれて両立支援をテーマに講演を行なう機会が増えているが、両立支援が企業の業績を上げるという認識はまだまだ乏しいようである。しかし日本でも、両立支援に取り組んでいる企業のなかには、経営戦略的な観点から取り組みを進め、業績が著しく向上しているところが少なくない。優秀な経営者たちは実践のなかから「両立支援は業績を上げる」という点に気づき始めているのだ。

両立支援に取り組んだことで業績が拡大

【図表4】両立支援はハイリターン投資

大半の両立支援先進企業で支援への取り組みが本格化した1990年代における売上高の変化を見ると、一般企業では一企業当たりの売上高が2割近く減少しているのに対し、両立先進企業ではむしろ売上高が3割近く増大している(図表4)。同様の傾向は、経常利益についても見られた。

このように、両立支援への取り組みと業績との間には高い相関関係があるが、両者の関係には二つの因果関係がありえる。すなわち「両立支援に取り組んだから、業績が向上した」あるいは「業績が良好だから、両立支援に取り組んだ」という二つの考え方ができる。

一般企業の経営者は、両立先進企業は「業績が良好だから、両立支援に取り組んだ」という見方をすることが多い。しかしながら、富士通総研がヒアリングを行なった国内外の両立先進企業の経営者や人事労務管理担当者の大半は「両立支援に取り組んだから、業績が向上した」と認識していた。

両立支援は、ハイリターンが約束された投資

ドイツ政府が刊行したレポートによると「両立支援に取り組む企業の財務分析を行なった結果、両立支援に対する投資を利回りに換算すると年率25%のハイリターン投資であった」という。

ここ数年日本でも、両立支援策が企業業績にプラスの効果をもたらすという研究が進められている。ただ、なかには「あまり明確な関係は見出せない」と結論づけられているものも少なくない。筆者も出席していたある会合で、他の委員が「両立支援と企業業績の間には変数が多く、海外の研究でも実証されているものはないと言っていい」「両立支援をやると企業業績が上がるということをあまり言う必要はない。やらないとマイナスになる可能性があるということは言える」と話すのを聞いたことがある。

しかし、そもそも国内外の研究のなかには、単純に両立支援と企業業績との相関を測定するような稚拙な分析もあり、そのような分析では明確な関係が見出せるはずがない。たとえば、育児休業を3年に延長する制度をつくった企業を仮に「両立先進企業」に入れたとしよう。だが、3年休む従業員が何人になったかが業績向上と何の関係もないことは検証するまでもないことである。

それでは、どうして両立支援への取り組みが業績にプラスになるといえるのだろうか。

筆者は、両立支援への取り組みには大きく三段階あると考えている(図表5)。

【図表5】両立支援の発展3段階

最初の段階は、従業員への福利厚生の一環として導入する。その次の段階は、企業の社会的責任と位置づける。そして、第三段階としては経営戦略の観点から取り組むようになる。

このような三段階に分けて考えると、第一段階では企業業績の向上に寄与することはないが、第二段階、第三段階と進むにつれて、企業業績の向上に大きく寄与することになるのである。

両立支援が長期的に最も大きな効果をもたらすのが「企業文化の変容」「組織・業務体制の見直し」である。すなわち、両立支援はロスではなく、周りの人が業務を見直したり、経営者が組織体制を変革するチャンスだというように考え方の転換が図られることになる。

育児休業中あるいは勤務時間短縮中は、けっして「仕事をしない期間」ではなく、第三者の視点で冷静かつ客観的に仕事を見直すことができる「貴重かつ有益な期間」であるという発想の転換はきわめて重要である。こういう「逆転の発想」を会得した企業は、人材活用面で貴重な知恵を身につけたことになる。こうした企業では、企業文化が大きく変容する。

すなわち、単に育児中の社員を重宝するだけではなく、入社直後の社員や定年後に再雇用した社員、非正規社員なども重宝しようと考えるようになるのだ。入社直後の社員を「学生気分が抜けきらない」と否定的にとらえず「カイシャの常識に染まっていない新鮮な発想ができる人材」と肯定的にとらえるし、定年後に再雇用した社員や非正規社員も「補助的な働き手」と否定的にとらえるのではなく「複眼的な思考ができる人材」と肯定的にとらえるようになる。

結果として、さまざまな属性を持った従業員から知恵とやる気を引き出すことに成功し、企業業績は大きく伸びることになる。こうした企業では、子育てをしている従業員のみならず、子どもを持っていない従業員やさまざまな年齢の従業員にとっても働きやすい職場環境がつくられることになる。

【図表6】組織・業務体制の見直しで一石二鳥の効果

また、組織・業務体制の見直しを図ることにより、企業業績は大きく伸びる(図表6)。両立支援は、必ずしも企業経営者や管理職だけの責任ではなく、企業で働いているメンバー全員で考えていかなくてはいけない面があると思う。両立しやすい就労環境は業務効率化のバロメーターという側面がある。

日本経済新聞社が実施した「日経ネットプラス:育児休業に関するアンケート」(2007年)で、「育休への対応を通じて、職場でプラスがあった」と約3割が答えている。最も多い答が「人材育成につながった」というもの。「業務をマニュアル化して引き継いだため、業務内容が他の社員にも一般化された」というメリットがある。

国や自治体の両立支援策
 助成金 
育児・介護雇用安定等助成金
育児や介護と仕事との両立を図る従業員を支援する事業主に対する助成金で、大きく分けて次の3種類があります
中小企業子育て支援助成金
育児休業取得者、短時間勤務制度の適用者が初めて出た中小企業主に支給。
両立支援レベルアップ助成金
代替要員確保や子育て期の柔軟な働き方支援、職場風土改革などいくつかのコースが設けられ、それぞれに要件を満たした事業主に支給。
育児休業取得促進等助成金
育児休業や短時間勤務制度を利用する従業員に経済的支援を行った事業主に支給。
 相談窓口 
育児休業促進ワンストップセンター(福岡県)
中小企業を対象に、育児休業制度の導入や取得促進に関して、労務管理の専門家(社会保険労務士)が無料でアドバイスを行います。
<主な相談内容>
●就業規則の整備・改正
●育児休業取得者に対する給付金、事業主に対する助成金等の請求手続き
●社会保険料等の免除手続き  など
<受付時間>
月曜日から金曜日(祝日を除く)の午前9時から午後5時まで。
<受付窓口>
育児休業促進ワンストップセンター
(福岡県社会保険労務士会事務局)
TEL092−414−8775
 その他 
子育て応援宣言登録制度(福岡県)
男女従業員の子育てを支援するための具体的取り組みを、企業・事業所のトップに宣言してもらい、福岡県が登録する制度。登録した企業・事業所に、登録証と登録マークを交付するとともに、ホームページ等を通して県民に広く紹介していきます。
福岡県HP「注目情報」欄
http://www.pref.fukuoka.lg.jp/
均等・両立推進企業表彰
厚生労働省が、仕事と育児・介護とが両立できるような様々な制度を持ち、多様でかつ柔軟な働き方を労働者が選択できるような取組を推進している企業等を表彰します。

ある両立先進企業では、育休取得者が出ると全社一斉に業務の棚卸をやる。要員を補充する代わりに、業務の無駄をなくす改善運動によって空きを埋めている。こうした地道な取り組みの結果、不良品発生率をコンマ三桁落とした。こういう目に見える形での業績アップの事例もある。

また、別の中小企業メーカーでは、エース研究者の女性が育児休暇を取得することになった。エースの不在は非常に困ってしまう状況だったが、彼女の仕事を難易度でランクづけして、容易な仕事は派遣社員が代替し、難しい仕事は同僚ができるように引き継いだ。こうして育休中を乗り切り、彼女が職場復帰した後も、容易な仕事は他の人が代替して、難しい仕事だけに専念できるようにした。その結果、エース研究者自身の生産性が上がるとともに、そういう働き方を業務全般に広めるなかで、企業全体の業績も向上した。

こういった事例からもわかるように、育休取得や両立支援をマイナスやコストととらえるのではなく、ある意味のチャンスととらえ、プラスに転ずる発想が重要なのである。

両立支援は決して「働かないことを推奨すること」ではない。「時間あたりの生産性」を向上させることで、労働と生活の質を高め、両者のシナジー効果を目指すものだ。従業員に働きやすい環境を提供することで、中長期的に企業が成長する、ハイリターンが約束された投資という見方が正解だ。

おわりに

現在、「両立支援はコストがかかるから、その余裕はない」と考えている経営者は、発想の転換を図るべきだ。経営環境が厳しいときこそ、大胆に両立支援に踏み切るべきである。労働力人口が減少しているなかで、いかに優秀な人材を引き留め、惹きつけるかが企業浮沈の鍵となる。

これからは企業の両立支援が常識になる。この点に早く気づけるかどうかで、今後の企業業績は大きく明暗を分けるであろう。

日本のトップランナーである福岡県の企業のみなさまには、ぜひこの両立支援の取り組みをさらに広げ、深め、日本全体の模範となる成功事例を増やしていってほしいと祈念している。

<執筆者紹介>
株式会社富士通総研
主任研究員 渥美 由喜(あつみ なおき)
1968年生まれ。1992年 東京大学法学部卒業
富士総合研究所を経て、2003年 兜x士通総研に入社。
人口問題、社会保障制度、労働・雇用などが専門。少子化問題研究の第一人者として、内閣府「少子化社会対策推進会議」、「子どもと家族応援戦略会議」、「ワークライフバランス官民連絡会議」に参加する他、経済産業省、日本経団連、日本商工会議所の審議会委員等も務める。著書に『少子化克服への最終処方箋』など多数。
http://jp.fujitsu.com/group/fri/economic/people/atsumi.html

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