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睡眠時無呼吸症候群(SAS)

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HOME >  会員サービス >  健康Q&A >  睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠時無呼吸症候群(SAS)  2012年3月号より

一木 昌郎
国立病院機構 九州医療センター 呼吸器科 科長

日本内科学会認定医・指導医、日本呼吸器学会専門医・評議員、日本肺癌学会評議員。医学博士。
48歳男性。高血圧にて加療中。最近家人から、夜間の睡眠時、呼吸がたまに止まっていると指摘されていました。最近倦怠感があり、日中の眠気も増えてきており当院受診となる。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
 睡眠中に断続的に無呼吸を繰り返し、その結果日中傾眠などの種々の症状を呈する疾患の総称です。
 中枢型と閉塞型に分けられるが、中枢型は脳幹の呼吸中枢の異常などが原因であり、臨床的には閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)がほとんどで、こちらを指している場合が多い。OSASは睡眠時に上気道が閉塞し気流の停止により睡眠時無呼吸、低呼吸を呈するものです。
OSASの症状は
 睡眠中に繰り返す上気道の閉塞が起こり、後で説明する無呼吸や低呼吸が出現することが特徴です。これらはほとんど覚醒反応によって終了しますが、日中傾眠が主な自覚症状で他にいびき、倦怠感、集中力欠如、起床時の頭痛、知性の低下などが認められます。
検査は
 まず、前述した症状などの問診の他、睡眠時に呼吸が停止しているかを家族から証言を得ることが重要です。精密検査は、終夜睡眠ポリグラフ(PSG)を施行します。脳波、眼球運動、鼻と口の気流測定、酸素飽和度測定、胸腹部の呼吸運動などで、夜間データを取るだけですので特に苦痛などありません。
 これらの検査から無呼吸、低呼吸を算出します。無呼吸とは睡眠中10秒以上の気流の停止を言います。低呼吸とは前後の安定した呼吸より50%以上の換気量あるいは気流の低下が10秒以上持続した場合を示します。酸素飽和度が一定以上低下した場合も低呼吸状態に含めます。
 睡眠中この無呼吸と低呼吸を足した数を1時間あたりの回数に換算した値を無呼吸低呼吸指数(AHI)と言い、5回から異常で5~15回を軽症、15~30回を中等症、30以上を重症と定義しています。一般にこのAHIが20以上の方は鼻CPAP療法を行います。
体型や合併症は
 イメージとしては肥満で首が短く周囲に脂肪沈着している方が多いと思います。しかし肥満度を示すBMI (体重kg÷身長m÷身長m)が正常範囲の25以下の方も30%程度いますので痩せているからこの病気にならないとは限りません。また多くの研究からこの病気を放置しておくと合併症として高血圧になる確率が約2倍、心筋梗塞などの心疾患が3倍、脳血管障害は4倍以上にもなるとの報告があります。AHIが中等度以上の方は5年生存が85%程度で8年生存は66%まで落ちるとの報告もあり、死因はこれら合併症によるものです。
治療は
 マウスピースを使用したり以前は手術をすることもありましたが現在はほとんどが鼻CPAP療法を施行します。これは鼻をすっぽり覆うマスクに空気の通る管がついており、その先に空気を送る機械があります。脂肪沈着や舌根沈下などで上気道の閉塞を来しているので一定圧の空気を鼻から送ることで閉塞部が改善し呼吸が普通にできるようになるわけです。健常者がやると違和感が著しいのですがOSASの患者さんは呼吸できる事により快適快眠を得るようになります。心当たりの方は肥満の改善も重要ですが早期発見、早期治療に心がけて下さい。またすでに高血圧や心臓疾患、脳血管疾患で加療中の方もこの病気が背後にないか否か確認する事も重要です。

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