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意外に多い白血病

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HOME >  会員サービス >  健康Q&A >  意外に多い白血病

意外に多い白血病 2010年12月号より

岡村 精一
国立病院機構国立病院機構 九州医療センター 血液内科科長 外来管理部長

日本内科学会認定医、日本高血圧学会専門医、日本循環器学会認定専門医、日本腎臓学会認定専門医、日本医師会認定産業医、日本高血圧学会監事、日本老年医学会評議員、1955年生まれ。九州大学医学部卒業。03年4月より現職。
高血圧に対する生活習慣の修正、薬物治療が専門分野。
こんな患者さんがいました。約1週間前から体調不良で、時々皮膚に小さい赤あざが出ることに気づいていた。2日前から38度を超える発熱が出現したので、近くのかかりつけ医を受診して抗生物質や解熱剤を処方されたが改善に乏しい。そこで次の日に採血検査してもらったところ、血液細胞数が全て減っていたことが後から判明したので、病名は不明だが重大な病気にかかっている可能性があると夜に自宅へ電話があり、血液専門医への受診を勧められた。どんな病気なのでしょうか。
 血液には3種類の細胞があります。赤血球、白血球、血小板です。これらの全てが減った状態を汎血球減少症と呼びます。赤血球は酸素を運ぶ細胞でこれが減れば息切れ、動悸、体のだるさなどの症状がでる貧血となります。白血球は細菌などを食べて感染を予防・治療する細胞で、これが減ればしばしば発熱します。血小板は出血を止める作用があり、これが減れば皮膚の青あざ(紫斑)や赤い点状の出血が認められます。高度となると脳出血や消化管出血など生命に危険があります。これらの3種類の細胞全部が減っていることは患者さんの症状と合致し、生命に危険がありますので直ちに対応する必要があります。
 血液は骨の内部(骨髄)で毎日造られていいます。そこで血液の数が異常の場合は血液の製造工場である骨髄の検査を行います。この患者さんの骨髄には白血病細胞が沢山あり、正常の血液を造る細胞が極端に減っていました。白血病細胞は正常の白血球が「がん」化した腫瘍細胞です。患者さんは急性白血病と診断されました。以前は受診が遅れがん化した白血球が増えた状態で発見されたことが多かったのですが、最近はその前に発見されることが多く、その場合は白血球が減っていることが多いのです。
 なお、このような症状はウイルス感染症など白血病でない場合でも出ることがあります。この場合は白血病で無いことを骨髄検査で確認します。
白血病は多いのでしょうか。
 健康Q&A201012_01 従来から人口10万人に5人の白血病の発症があるとされていました。一方、白血病は白血球に複数の遺伝子異常が積み重なってがん化するので、遺伝子異常を引き起こす素因(代表的には放射線など)への暴露期間が永い高齢者ほど多いことも知られています。近年の急速な高齢化により白血病は意外に多い疾患となっています。ちなみに厚労省の地域がん登録全国推計によるがん罹患データからみると、表1のように年々増加しており、2010年には1975年の倍近いと思われます。2005年の年齢別罹患では表2のようになっています。このように意外に多い疾患であることがわかります。なお、前白血病状態である骨髄異形成症候群も高齢者に増加しています。
治療はどうしたらよいのでしょうか。
 白血病は他の「がん」よりも抗がん剤が効きやすいので抗がん剤治療(化学療法)が行われます。従来は不治で短期間で生命が危険とされていた白血病でも、以前と比べて良好な治療成績が得られています。次々に新規薬剤が開発されて寛解(白血病細胞が認めれらなくなった状態)に入る率が年々向上しています。寛解なると長期間の生存が得られることが多く、若年者では約50%が治癒します。若い患者さんでは骨髄移植がしばしば行われます。高齢者では副作用が少ないミニ移植が行われることもあります。

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