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乳がん

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癌の早期発見について 2010年10月号より

藤井 輝彦
国立病院機構 九州医療センター 乳腺外科医長 乳腺センター部長 久留米大学外科学准教授

日本外科学会指導医、日本消化器外科学会指導医、日本乳癌学会専門医。久留米大学医学部卒業。久留米大学外科学、同大学病理学、米国ペンシルバニア大学などを経て、平成18年より現職。
最近、右乳房にしこりがあることに気づき病院を受診したところ乳がんと診断されました。乳がんの治療法について教えてください。
乳がんの治療法
 局所療法である手術療法や放射線療法に加えて全身療法であるホルモン療法、化学療法(抗がん剤治療)、分子標的治療などを組み合わせた集学治療を行います。それぞれについて説明していきましょう。
手術療法
 手術方法としては大きく分けて2とおりあり、乳房をすべて切り取る乳房切除術と乳頭・乳輪を温存し乳房の一部のみを切除する乳房温存手術があります。乳房切除術にもいくつか方法があります。20年ほど前は乳房のみならず、乳房の下にある筋肉(大胸筋、小胸筋)も切除していましたが、現在では大胸筋、小胸筋ともに残し乳房と腋窩リンパ節を切除するオーチンクロス手術が主流となってきました。一方、乳房温存手術はしこりを中心とした乳腺を部分的に切除し、腋窩のリンパ節も切除する方法で、乳頭、乳輪と乳房の約2/3から3/4を残す手術法です。乳房温存手術の適応は腫瘍径3cm以下、広範な乳管内進展を示す所見のないもの、多発病巣のないもの、患者さんが温存療法を希望する、などとなっています。
 また、最近の手術法の特徴として腋窩リンパ節をできるだけ切除しないようにするセンチネルリンパ節生検(一番最初に転移する1~数個のリンパ節を同定し、そのリンパ節に転移がなければ腋の下のリンパ節は切除しない方法)が本年4月より保険の適応となりました。さらに、乳房を再建する方法も進歩してきています。術後は腫瘍径、組織学的グレード(がんの顔つきの悪さ)、腋窩リンパ節の転移状況、女性ホルモンの感受性、HER2発現などを臨床病理学的に検査し、再発のリスクを評価して、推奨されるホルモン療法、化学療法、分子標的治療、放射線療法などの術後療法を行います。
ホルモン療法
 乳がんには女性ホルモンにより増殖するものがあり、全体の約7割を占めています。ホルモン剤は体の中で作られる女性ホルモンを減らしたり、乳がん細胞と女性ホルモンの結合を阻害することにより乳がん細胞の増殖を防ぐお薬です。術後にホルモン療法を行うことにより再発が約半分ほどに減り、また、副作用も少なく非常に有効なお薬と考えられます。
化学療法(抗がん剤治療)
 術後の病理検査で腋のリンパ節に転移があったり、乳がん細胞の悪性度が高く再発の危険性が心配される患者さんには、化学療法を行うことが検討されます。術後の抗がん剤治療は再発率や死亡率を低下させるため、乳がん治療では重要なものの一つです。吐き気、脱毛、発熱などの副作用が出現する可能性はありますが、通常は外来で行う治療です。
分子標的治療
 正常の細胞にはなくがん細胞にのみある特有の性質に対して狙い撃ちをする治療が分子標的治療であり、乳がんの術後療法としてはHER2という蛋白質に特異的に反応するハーセプチンというお薬が使われています。HER2を持つがん細胞のみを攻撃し、正常細胞には作用しませんので、がんにはよく効き、しかも副作用がほとんどないという乳がん治療には理想的なお薬です。ただし、乳がん細胞にHER2蛋白をもっている患者さんは約3割であり、この3割の方にしかハーセプチンは使えません。
射線療法
 乳房温存手術を行った場合は、手術を行ったほうの乳房(残存乳房)に放射線をかけます。乳房温存手術では目に見えるしこりを摘出しますが、放射線療法では手術で取りきれなかった目に見えないがん細胞を根絶するために行います。乳房温存術後に放射線療法を加えた場合は乳房内の再発が約1/3に減ることが知られており、乳房温存術と放射線治療を併用することにより乳房を温存しつつ乳がんを治療することができます。
 また、乳房切除術の場合でも腫瘍径が大きかったり、腋のリンパ節に4個以上転移があった患者さんでは胸壁やリンパ節の再発の危険性が高いため、放射線療法が推奨されています。
最後に
 早期乳がんであれば適切な治療を行うことにより非常に高い確率で根治できる可能性があるのに対して、いったん再発すると根治は非常に困難となります。従って最も重要なことは乳がんの病状よく把握し、推奨される標準治療を行うことにより乳がんを根治させることですので、専門医とよくご相談されて治療方針を決定されることをお勧めいたします。

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