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認知症、その症状、診断と治療

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HOME >  会員サービス >  健康Q&A >  認知症、その症状、診断と治療

認知症、その症状、診断と治療 2010年8月号より

矢坂 正弘
国立病院機構  九州医療センター 脳血管内科 科長

熊本大学医学部卒業(1982年) 国立病院機構九州医療センター脳血管内科科長  脳卒中専門医
【専門分野】  脳卒中、抗血栓療法、塞栓症の病態、超音波医学
【趣味】  聖書通読、ドライブ、音楽鑑賞

  「もの忘れ」が初期症状のことが多い認知症への関心が高まっています。それは本邦が高齢化社会を迎え、「もの忘れ」を心配されるご高齢の方が増えているからです。とは言うものの「物忘れ」があれば、すぐに認知症というわけではありません。加齢に伴う身体機能の低下とともに、誰にでも「物忘れ」は起こり得ます。ただし物忘れの程度が強く、時間や場所が分からなくなり、日常生活に支障をきたすようになると「認知症」と診断されます。

認知症とは
 認知症は記名力障害や記憶力障害で始まり、合理的な思考や行動が障害され、しばしば徘徊やせん妄を伴い、徐々に活動性が落ち、最後には寝たきりとなる疾患です。
 認知症の基礎疾患として、変性疾患であるアルツハイマー病や多発性脳卒中(繰り返し脳卒中を起こすこと)が代表です。アルツハイマー病は40歳以降で発症し、物忘れが徐々に進行し、前述の経過を取ります。脳卒中は高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙などの動脈硬化のリスクや心房細動という不整脈を有する人に起こりやすく、片麻痺や言語障害などの脳局所症状を突然呈し、再発することで認知症を呈しやすくなります。
 診断は病気の経過、症状、MRI、脳血流検査などに基づいて行われます。アルツハイマー病には進行を遅らせる、ドネペジル(商品名アリセプト)が投与され、脳卒中に伴うタイプでは動脈硬化のリスク管理を行い、心房細動や脳梗塞の場合は再発予防に抗血栓薬を投与します。必要に応じて脳循環改善薬や脳代謝改善薬が投与されます。
治る認知症を見逃すな
 さて、認知症には治るものがあることをご存じでしょうか?治る認知症は、その認知症に対応する適切な治療を行うと症状が改善・軽快するのです。慢性硬膜下血腫、特発性水頭症、甲状腺機能低下症、脳腫瘍、感染症、ビタミン欠乏症などがあります。認知症外来や物忘れ外来では初診時にこれらの疾患の有無を必ずチエックします。
 慢性硬膜下血腫は、頭部を打撲して一カ月から三カ月くらいの間に発症することがあります。脳を保護する硬膜の下に静脈性の出血がおこり、たまった血液が脳を圧迫し、頭痛、歩行障害、尿失禁、認知機能の低下を呈します。頭部CT検査で容易に診断され、脳外科で穿頭血腫洗浄術を行うと劇的に症状は改善します。特発性水頭症では脳室に貯留した脳脊髄液が脳を圧迫し、認知障害や歩行障害が起こります。脳脊髄液を排出する手術で軽快します。甲状腺機能低下症に伴う場合は甲状腺ホルモンを補えば良くなります。
 このように治る認知症を見逃さないことはとても重要です。物忘れがひどい場合や認知症が心配な場合は、かかりつけの先生と相談して、専門医を紹介していただき、正確な診断に基づいて適切な治療方針を決め、かかりつけ医や専門医と一緒に診療を続けられることをお勧めします。

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