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適応傷害

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適応障害 2010年6月号より

石川 謙介
国立病院機構  九州医療センター 精神神経科 医長

平成7年九州大学医学部卒業  精神保健指定医  医学博士専門領域:老年精神医学

 4月に異動してきた職員が連休明けから出勤しなくなり、ある日”適応障害”と書かれた診断書を持参し「しばらく休職したい」と訴えてきました。同僚の”うつ病”は経験がありますが、この場合の対応はどのようにすればいいですか。

 ストレスや苦労というものはある程度必要ですが、個人の限界を超えれば”適応障害”に陥ります。これは誰にでも起こり得るもので、職場のみならず学校や家庭でのトラブル、さらにはガンなどの大病のきっかけにもなります。

症状
  1. うつ症状:抑うつ気分、涙もろさ、絶望感
  2. 不  安:神経質、心配、過敏、恐怖
  3. 行為の障害:欠勤や不登校、喧嘩、引きこもり、アルコール乱用
診断基準
  1. はっきりとしたストレスに反応して、3か月以内に情緒面または行動面の症状が出現
  2. そのストレスに暴露された時に予測されるものをはるかに超えた苦痛、または社会的機能の障害
  3. ストレスが終結すると、症状が6か月以上持続することはない
  4. うつ病などの精神障害は存在しない(DSM-IV精神疾患の分類と診断の手引を一部改変)
うつ病との違い
 ストレスとの関連性や、うつ症状を呈する点で適応障害とうつ病は似ています。確かに科学的に見分けることはできませんが、典型的なうつ病は原因が明らかでなくても起こり得る「脳の病気」であり、治療には休養と薬物が必要です。最近はうつ病の臨床的概念が広がり過ぎていて、「現代型うつ病」と呼ばれるものは適応障害の要素を多分に含んでいると思います。正しいとは言い難い診断によって抗うつ薬が本来の効果を発揮できないことが懸念されます。
対処法
 職場不適応の場合は産業医やリワークアシスタントとの連携が有効です。病気などのストレスから適応障害に陥った場合は、同じ境遇の方との交流が回復を促すことも多いようです。
  1. 周囲のサポート:最も合理的で治療の中心となるべきものです。まずは受容的態度で相談に応じながら、ストレスの本質を把握します。周りから共感や助言を得る過程において本人が主体的に対処できるようになります。
  2. ストレスの軽減:速効性があり多用されますが、極端な回避は注意が必要です。本人を過小評価することで主体性が奪われ、長過ぎる現実逃避により回復が妨げられることにもなりかねません。原則として、いずれは直面する必要性があるのです。
精神科治療
 ストレス耐性を上げることを理想とした認知行動療法などの精神療法が主となります。しかし認知の修正には年余を要し、また強い臨床症状が存在すれば困難となりますので、補助的な薬物療法が有効です。精神科では不眠や不安が元来の適応力を弱めている場合に睡眠導入剤や抗不安薬を使用しますが、適応障害の治療は決してひとつではありませんので、各人が納得した治療を行うことが大切でしょう。予防法は、ストレスを感じたら早めに周囲に相談したり支援を求めたりすることです。とにかく孤立しない(させない)ことが重要です。

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