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未熟児医療

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未熟児医療 2009年11月号より

佐藤 和夫
国立病院機構 九州医療センター 小児科医長・周産期センター長

医学博士、日本小児科学会(専門医)、日本周産期・新生児学会(新生児専門医) NPO子どもとメディア常務理事 1982年 九州大学医学部卒業 2000年より現職。
不妊治療で妊娠成立。在胎27週1日に前期破水したため当院産科へ母体搬送されました。抗生物質、陣痛抑制剤、ステロイド投与されて、2日後の在胎27週3日に帝王切開術で出生(早産)しました。出生体重は820gの女児で、人工サーファクタントを気管内投与されてNICU(新生児集中治療室)に入院となりました。
超低出生体重児
早産児、低出生体重児とは?
200911_02 以前は出生体重2、500g未満の児を未熟児と称していましたが、医学的定義があいまいな用語でした。現在は出生体重と在胎週数で表のように分類されています。この症例は超早産の超低出生体重児です。早く小さく産まれたため、全身諸臓器がとても未熟な(成熟していない)状態の赤ちゃんです。
低出生体重児は増加しているのですか?
 出生数は減少していますが、低出生体重児は毎年増加しています(20年前は出生の5%前後でしたが、現在は10%前後に及んでいます)。理由としては、不妊治療による多胎(特に双胎)の増加、他に出産年齢の高齢化、妊娠中の栄養(痩せ願望)と喫煙の問題等、様々な因子が考えられています。
超低出生体重児の救命率は世界一?
 在胎週数は28週、出生体重は1,000gで90%以上の救命率です。わが国の新生児医療は世界一の水準といえます。25年程前は、超出生体重児の多くが呼吸不全のために亡くなっていましたが、現在では、出生前に母体にステロイド投与し(児の肺サーファクタント産生を促進)、人工肺サーファクタント(日本で開発されました)を補充することで、呼吸の問題を克服することができるようになりました。呼吸器や経末梢静脈中心静脈カテーテルなど新生児用医療機器の進歩と全国への新生児集中治療室(以下、NICU)整備も救命率の向上に寄与しました。そしてこの症例のように出生前からNICUのある施設へ搬送される母体搬送が普及し、産科と小児科双方からの母児管理を行うようになったことも超低出生体重児が救命できるようになった重要な要因です。
小さく産まれた赤ちゃんの長期予後は?
 ほとんどの低出生体重児は全く問題なく成長しています。極低出生体重児については全国で共通のプロトコールで小学校3年生までフォローアップを行っています。超低出生体重児については、体格もしっかりした元気な小中学生も沢山いますが、全体としては、小柄で発達に問題がある子もいて今後の課題となっています。
カンガルーケアってなんですか?
200911_01 写真のように、保育器に入っている時期の赤ちゃんをお母さんが直接肌に抱くケアで、母児双方の心理に良い効果が期待されています。カンガルーケアをはじめとするデベロップメンタルケアと呼ばれる児の発達に考慮したケア(過剰な音や光刺激から児を保護し快適な触覚運動刺激を提供する)が全国のNICUに広まっています。具体的には、モニターは心拍音を消してアラーム音のみとし夜間は照明を落とし静かで薄暗い環境とすること、人の手で優しく触ることや側臥位や腹臥位など自然な体位を工夫することなどです。家族の面会時間の延長(24時間面会の施設もあり)や臨床心理士の母親カウンセリングを取り入れるなど、急性期の集中治療の場から児と家族にやさしい母子を育む場へとNICUが進化してきたと言えます。

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