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糖尿病と蛋白尿

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糖尿病と蛋白尿 ~透析にならないために2009年4月号より

中山 勝
国立病院機構 九州医療センター 腎臓内科 科長

日本内科学会認定医 日本透析医学会認定医 日本腎臓学会専門医
2002年10月より国立病院機構九州医療センター腎臓内科科長に赴任し、現在に至る。
以前より糖尿病と診断されており、最近蛋白尿も出ていると言われました。今後どういうことに気をつければよろしいでしょうか。
糖尿病と合併症
 糖尿病の有病率は年々増加傾向にあります。平成14年度糖尿病実態調査では、糖尿病が強く疑われる人は約740万人、糖尿病の可能性が否定できない人との合計は約1620万人と言われています。また、糖尿病の罹病期間とともに出現する3大合併症として網膜症、神経障害、腎障害があります。
糖尿病に伴う腎障害
 質問の内容からしますと、この方は糖尿病による腎障害(糖尿病性腎症)を合併しているものと推察されます。糖尿病性腎症の病期分類は、以下の5期に分けられます。
  1. 腎症の発症前(腎症前期)
  2. 早期腎症(微量アルブミン尿の出現=尿試験紙で蛋白尿が陽性とならない程度の軽度のアルブミン尿)
  3. 顕性腎症(通常の尿試験紙で蛋白尿陽性)(この顕性腎症の後期より腎障害が出現します)
  4. 腎不全期
  5. 透析療法期
——です。質問者の場合、おそらく試験紙で蛋白尿が陽性だと思いますので、顕性腎症以後のステージに相当します。
治療−コントロールが大切
 糖尿病の治療原則は、食事療法、運動療法あるいは薬物療法(経口血糖降下剤やインスリン療法)による血糖コントロール(ヘモグロビンA1c(過去1−2ヶ月の血糖状態を反映するもの)6.5%未満)が重要であることは言うまでもありません。一方、糖尿病性腎症を合併していますと、食事療法(蛋白制限、塩分制限)および血圧のコントロール(130/80mmHg未満(蛋白尿が多い場合は125/75mmHg 未満))が大事になります。
 糖尿病性腎症を合併している方は、血圧が高くなる傾向が強く、かつ降圧剤を数種類内服しないと血圧のコントロールができない人もいらっしゃいます。降圧剤の種類は多岐に亘りますが、その中でも血圧上昇や臓器障害に関与するレニンアンジオテンシン系を抑制する降圧剤(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬やアンジオテンシン変換酵素阻害剤)を第1選択薬として投与することが推奨されています。
治療原則の遵守が悪化を防ぐ
 以上のように、糖尿病性腎症に対する厳格な食事療法や内服投与を行い、血糖・血圧をしっかりコントロールすることによって、まだ腎障害が前面に出現していない場合には腎不全への移行を、既に腎不全が存在している状態であれば、その後の進行のスピードを抑制できる可能性があります。
 血糖や血圧のコントロールが良好であれば、そのままの状態で様子をみていかれてよろしいかと思いますが、一度専門医(腎臓内科や代謝内分泌内科)を受診され、現在の状態を確認することも大事だと思います。また、血糖や血圧のコントロールが不十分である場合には、専門医を受診するとともに、必要があれば入院して精査加療することをお勧めします。
 2007年末の時点で、全国で透析療法を行っている患者さんは27万人を超えています。そして、年間3万人を超える人が透析を開始しています。その中で、約4割の人が、糖尿病性腎症による腎不全のため透析を開始しています。繰り返しにはなりますが、今後腎機能障害が進展し透析療法を受けることをできるだけ避けるために、上記の治療原則を遵守していくことが重要であると強調しておきたいと思います。

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