福岡商工会議所/Fukunet/経済 経営 ビジネス情報

  • ENGLISH
  • リンク
  • サイトマップ
  • アクセス
  • 本日の予定
  • お問い合わせ
文字サイズ
  • 文字サイズ小
  • 文字サイズ中
  • 文字サイズ大

薬の服用中断の危険性

福商の活動
よかぞう 福岡商工会議所 Facebook

このページに
「いいね!」

SSL GMOグローバルサインのサイトシール

このサイトはグローバルサインにより認証されています。
SSL対応ページからの情報送信は暗号化により保護されます。

HOME >  会員サービス >  健康Q&A >  薬の服用中断の危険性

~働き盛りの健康管理~

薬の服用中断の危険性(ワルファリンやアスピリンの服用と抜歯) 2007年7月号より

矢坂正弘
国立病院機構 九州医療センター 脳血管内科 科長

日本内科学会認定内科専門医、日本老年医学会認定老年病専門医、日本脳卒中学会専門医、1982年熊本大学医学部卒業
国立循環器病センター医長を経て2005年4月より現職
脳血管障害、抗血栓療法、超音波診断が専門分野
脳梗塞の再発予防を目的に血を固まらせ難くする「抗血栓薬」を内服しています。歯痛で歯科医院を受診したところ、抜歯が必要で、抜歯時の出血を予防するために「抗血栓薬」の一時中止が必要と言われました。「抗血栓薬」を一時的に止めても脳梗塞を再発することはありませんか?
抗血栓薬とは?
 脳梗塞や心筋梗塞などの血栓性疾患は「血液の固まり易い人」に発症する傾向がありますので、その予防には血液を固まらせ難くして血栓ができないように作用する「抗血栓薬」がしばしば用いられます。抗血栓薬には、血小板の働きを抑えるアスピリンを代表とする「抗血小板薬」と、凝固因子の産生を阻害するワルファリンという「抗凝固薬」があります。
抜歯時に「抗血栓薬」が問題となる理由
 抗血栓薬は血液を固まらせ難くする薬ですから、抗血栓薬療法中に出血すると止まり難くなります。抗血栓薬の内服を継続しながら抜歯すれば、出血が止まり難いかもしれないという危惧が生じるわけです。しかし、一方で、内服を中断すれば脳梗塞などの血栓性疾患を再発するかもしれないという心配も起こります。これは、日本のみならず世界中で問題となっており、歯科医師や医師の間で対応に混乱がみられてきました。しかし、近年、抗血栓薬を中止して抜歯した際に重篤な脳梗塞が一定の頻度で発症する事や、抗血栓薬継続下での抜歯の安全性が明らかにされ、「抗血栓療法継続下での抜歯」が推奨されるようになってきました。
 抗血栓薬のなかで最も強い薬である「ワルファリン」を一時中止すると、脳梗塞などの重篤な血栓性疾患が約1%の頻度で起こることが、複数の研究によって明らかにされています。著者らの調査でも、ワルファリン療法中断中に脳梗塞を発症した方は重症例が多く、7割以上が「要介護状態」で退院されるという結果でした。一方、ワルファリン内服継続下で抜歯を行った場合の安全性に関する報告も世界中で増えてきました。本邦における複数の観察研究でも、適正な治療域にコントロールされていれば、ワルファリン内服継続下での抜歯は安全に行えることが明らかにされています。アスピリンなどの「抗血小板薬」に関しても、内服継続下での抜歯の安全性を支持する研究が複数報告されています。
 抗血栓療法中の方が抜歯処置を受ける場合は、「抗血栓療法内服継続下での抜歯」が望ましいと言えます。福岡市内の病院勤務の歯科医師を対象としたアンケート調査では、8割以上の病院で抗血栓療法継続下での抜歯を受け入れています。
「抗血栓薬」の一時中止が必要と言われたら−−−
 かかりつけ医師に、「診断名、病態、治療薬、抗血栓療法の効き具合などを記した歯科医師への紹介状」の作成を依頼し、受診を希望する歯科医師へ十分な情報を伝えた上で抜歯を受けることが大切です。その歯科医師に「抗血栓療法継続下での抜歯が困難である」と言われた場合は、かかりつけ医師に再度相談し、抗血栓療法継続下での抜歯処置を行う歯科医院や病院歯科を紹介してもらうようにすべきです。

前のページへは、ブラウザの戻るボタンでお戻りください。