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心房細動という不整脈

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~働き盛りの健康管理~

心房細動という不整脈 2007年6月号より

中村俊博
国立病院機構 九州医療センター 循環器科 科長

日本内科学会専門医、指導医、日本循環器学会専門医、
1984年久留米大学医学部卒業、久留米大学第三内科に勤務後1994年7月より現職
不整脈の薬物、非薬物治療(カテーテルアブレーション、ペースメーカー、植込み型除細動器)が専門分野
62歳男性。10年前から高血圧症を指摘され、近医で内服治療を行っています。約1年前から時々動悸や脈の乱れを自覚することがありましたが、しばらくすると良くなるため気にすることもなく、主治医の先生にも話していませんでした。ところが先日朝から動悸が続くためクリニックで心電図をとったところ、「心房細動」という不整脈が出ていると言われました。先生からは脳梗塞の危険もあると言われとても不安です。どうしたらよろしいでしょうか?
正常脈と不整脈
 心臓は左右の心房、心室という四つの部屋からできており、各々の部屋が広がったり(拡張)縮んだり(収縮)を繰り返すことで血液を全身に送り出すポンプの役割を担っています。この心臓の拡張と収縮という運動が拍動的な血液の流れを作り、我々はそれを「脈」として触れ、感じることができるのです。すなわち正常脈とは正常の心臓の動きを意味しており、通常は安静時で一分間に60~70回、規則的な動きであることが原則です。一方「不整脈」とは、この律動的な心臓の動きに異常が生じた結果、脈が速くなったり遅くなったり、あるいは打ち方に乱れが生じるなど、全ての脈のリズムと速さの異常を意味する病名です。
心房細動とは
 心臓の動きがおかしくなり脈の乱れを生じるのですが、実はこの本質は心臓の電気的興奮の異常に基づくものなのです。「心房細動」とは、心房が一分間に400~600回くらいまったく無秩序に興奮する不整脈のことを言います。この興奮の何割かが心室に到達し、心室も一分間に60~200回くらいの不規則な興奮をおこし、これが脈の乱れを来すことになるわけです。
 心房細動の脈の特徴は、①脈が速くなりやすい ②脈の打ち方が不規則、ということになり、この特徴が動悸や胸部不快感を自覚する原因になるのです。また心房細動はその経過により、発作性(一時的に心房細動が生じ、自然に正常脈に戻るもの)と慢性(心房細動が持続し治療をしないと正常に戻らない、あるいはずっと心房細動が続いた状態)に分けることができます。
心房細動の原因
 心臓病が原因となる場合、心臓病以外の病気(高血圧症、肺の病気、甲状腺機能亢進症など)が原因となる場合、特別な病気がないのに起こる場合があります。特にストレス、過度のアルコールや疲労、睡眠不足などにより一過性の心房細動が誘発されることもあります。
心房細動の治療
 心房細動そのものは命に関わる危険な不整脈ではありません。しかし自覚症状のため患者様のQOL(生活の質)を低下させたり、場合によっては心不全を招来することもありますので、原則的には治療が必要です。発作性か慢性か、原因疾患があるかないか、患者様の年齢などを考慮して治療方針を検討します。一般的には、発作性心房細動では発作の予防や発作の停止のための薬を使用し、慢性心房細動の場合は脈拍が速くなり過ぎないように調節する薬を使用します。原因疾患がある場合は、心房細動だけでなくその病気も同時に治療していく必要があります。
脳梗塞との関連
 心房細動に付随する大きな問題が脳梗塞の合併です。心房が一分間に400~600回も興奮すると、心房そのものの動きはただ震えているだけの状態と変わりなく、心房内の血液はよどんだ状態になります。このため血液の固まり(血栓)ができ、血栓が血液の流れに乗って脳の血管を詰まらせると脳梗塞を起こしてしまいます。ただすべての心房細動が脳梗塞を起こすわけではなく、リスクの高いグループとしては、心臓弁膜症、心臓の働きが悪い人、高血圧症、75歳以上の高齢者、糖尿病、過去に脳梗塞を起こしたことのある方と考えられています。このグループの患者様は原則的に血液が固まりにくくなる薬(抗凝固薬)を飲むよう推奨されていますし、特にワルファリンという抗凝固薬は脳梗塞の予防効果も証明されています。
質問された患者様へ
 初めて心房細動と診断されたそうですが、病歴から判断しますと発作性心房細動と考えられます。高血圧症を合併していらっしゃいますので、まずは血圧のコントロールが十分になされているかを確認する必要があります。また、高血圧症の合併症である心臓肥大の有無についても、心エコー検査等でチェックしてもらいましょう。十分に血圧がコントロールされているのに心房細動発作が生じるときは、発作時のみ薬を服用して心房細動を早く止めるという方法もあります。またあなたの場合血栓ができやすい状態と考えられますので、原則としてワルファリンの服用をお勧めします。日常生活では飲酒、喫煙を控え、十分な睡眠をとることも心房細動予防に有効と考えられますのでお試し下さい。

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