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慢性咳嗽(咳)

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~働き盛りの健康管理~

慢性咳嗽(咳) 2006年12月号より

一木 昌郎
国立病院機構 九州医療センター 呼吸器科 科長

日本内科学会認定医、日本呼吸器学会専門医・評議員、日本肺癌学会評議員。医学博士。 平成元年大分医科大学卒業。平成16年12月より現職。
こんな患者さんがいらっしゃいました。
32歳男性、数ヶ月前から咳だけが持続しています。発熱や痰はありません。市販の咳止めでは改善せず、また近くの内科医院でもレントゲンなど異常はないと言われ、念のため抗菌剤、咳止めを処方されましたが改善しません。そこで呼吸器内科を受診しました。
咳(咳嗽)の原因と分類
 一般に痰を伴う湿性咳嗽と伴わない乾性咳嗽に分けられ、期間及び発症形態から急性咳嗽と慢性咳嗽に分けられます。急性咳嗽は症状の発現より3週間以内の咳嗽と定義され、慢性咳嗽は3~8週以上持続する咳嗽と定義されます。
 痰を伴う湿性咳嗽は、肺炎や気管支炎のことが多く、適切な抗菌剤投与にて改善することが多く、急性咳嗽の範疇に入ります。他に普通感冒やインフルエンザも急性咳嗽の原因です。
 一方、慢性咳嗽には、薬の副作用、気管支異物、慢性副鼻腔炎から気管への流れ込み、胃食道逆流症による胃内容物の気管への流れ込みが原因となるケースや、咳だけが唯一の症状である咳喘息、アレルギーに起因するアトピー咳嗽、かぜをひいた後気道の炎症が残り咳だけが続くかぜ症候群後咳嗽などがあります。
慢性咳嗽にはどのような検査があるのでしょう?
 当然胸部レントゲンや採血、呼吸機能検査は必要になります。また、薬物や慢性副鼻腔炎の有無、感冒の有無も原因検索上重要ですので、患者さんからも最初にお話しておくことが重要です。気道異物や腫瘍などが原因となっていないか、胸部CTや気管支鏡(カメラ)にて内部観察をする場合もあります。いずれの検査でも異常がない場合、上記の咳喘息、アトピー咳嗽、かぜ症候群後咳嗽などを疑うことになります。この場合、喘息の素因があるかどうか調べるため気道過敏性試験を行います。
この患者さんの診断は−−
 レントゲン、採血、CTいずれも異常なく、気道過敏性試験を行いました。喘息の本質は気管支壁の慢性炎症ですが、そのことにより気管、気管支が狭窄してヒューヒュー音を呈する場合気管支喘息になり、咳だけが全面に症状となる場合咳喘息と言うことになります。
 気道過敏性試験は、気管、気管支の壁を刺激して収縮(狭窄)する物質を霧状にして、低濃度から徐々に濃度を上げて吸入してもらいます。正常な人は比較的高濃度液を吸入しても狭窄はおこりませんが、喘息素因の人は、低い濃度にて気管、気管支の狭窄が起こり識別できます。この患者さんはこのテストが陽性で咳喘息と診断されました。
さて治療です
 咳喘息であれば気管支喘息と基本病態は同じなので、気管支喘息と同様の治療が行われます。吸入ステロイド剤、抗アレルギー剤、気管支拡張剤などです。一般の抗菌剤や咳止めは意味を持ちません。また、同じ慢性咳嗽であるアトピー咳嗽や感冒後咳嗽も、気管、気管支の炎症の残存としての側面があり、吸入ステロイドにて軽快します。
 最後に、気道過敏性試験はどの医療機関でも受けられる訳ではありません。しかし専門医であれば、このような病態を推測し吸入ステロイド剤を処方してその反応をみることで、その人の病態を解明し直す事が可能です。長期の咳で困った場合、是非専門医の診察を受けましょう。

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