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脳卒中への初期対応

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~働き盛りの健康管理~

脳卒中への初期対応 2006年3月号より

後藤 聖司

国立病院機構 九州医療センター 脳血管内科 医師

日本内科学会認定医 2001年鹿児島大学医学部卒業。九州大学医学部第2内科(病態機能内科)入局。 2002年九州労災病院脳血管内科医師を経て、2004年より国立病院機構九州医療センター脳血管内科医師に赴任し現在に至る。
健康Q&A
脳卒中が職場で起こったらどうしたらよいのですか。
健康Q&A

 脳卒中の時に起こる症状は様々ですが、これまで元気に働いていた人が、ある日、ある時、急に倒れる、顔や手足の動きが悪くなる、半身の感覚の異常を感じる、言葉が出にくくなる、歩行が急におかしくなる、また激しい頭痛を感じるといった時などは、脳卒中を疑います。特に50歳以上の方で、日頃から喫煙や多量の飲酒習慣がある人、高血圧、糖尿病、高脂血症、不整脈、肥満傾向を指摘されている人に生じた場合は、脳卒中を起こした可能性が高くなります。

 脳卒中を疑ったら、あわてずに横になり、服装をゆるめ、頭や首は動かさず、安静にし、助けを求めます。目撃者や会社の同僚が対応する場合には、意識がない時も無理に起こそうとせず、必要以上に移動させないことが大切です。そして、速やかに119番に連絡し、救急車を呼んで脳卒中専門医のいる病院に搬送してください。

 例えば、脳卒中の中でも最も頻度の高い脳こうそくでは、症状が現れてから3時間以内であれば、血栓溶解療法という新たな画期的な治療法があります。血栓溶解療法はt−PAという薬を点滴し、血栓で詰まった脳の血管を再開通させる治療法で、日本では2005年10月に承認されました。うまくいくと劇的に症状が良くなり、ほとんど後遺症を残さず日常生活が送れるようになるケースもあります。一方で、治療が遅れたり、重症な場合には、脳のうそくの中に出血を起こして悪くなる危険もはらんでいるハイリスクハイリターンの治療法ですが、総じて従来の治療法よりもかなり期待できます。

 脳出血の場合も早く病院に到着すると、血圧を下げ、出血の拡大を防ぐ内科・外科治療があり、今はまだ研究段階ですが緊急の止血薬も開発されています。くも膜下出血は、脳の動脈瘤が破れて激しい頭痛を生じ、死亡率が高い病気ですが、最初の24時間内の再破裂が致命傷になることが多いのです。直接専門病院へ搬送されれば手術で再破裂を防ぎ、助かる率が上がると言われています。このように、すべての脳卒中は、起こって間もない時に、時間との勝負の中でいかに適切な病院で治療を開始するかが運命の分かれ目になるといえましょう。2006年の日本脳卒中協会の標語は「一分が、分ける運命、脳卒中」だそうです。

 症状が軽い場合は、安静で何とかなると考えたり、夜間の医療機関受診や救急車要請を躊躇することがありますが、遠慮は禁物です。脳卒中の初期症状を知らないために、整形外科、眼科、耳鼻科、精神科などを受診して専門的な治療が遅れることも多いようです。脳卒中発作の症状を知り、現場で一般の方々がいち早い行動を起こすことが大切です。

 つい先日も、「職場で手の動きが急に悪くなり、話し方がいつもと違っていたので脳卒中だと思ったから、寝かせて、すぐに救急車を呼びました。」と患者さんの同僚が話していました。脳卒中が疑われる時は例え軽症でも、一刻も早く専門医を緊急受診することが大切です。たとえ3時間を超えていても、脳卒中の専門病院に早期に入院して治療を受けリハビリに繋げることが、3ヵ月、1年後の後遺症を軽減し、生活能力を向上すると言われています。


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