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脳こうそくの前触れ

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~働き盛りの健康管理~

脳こうそくの前触れ 2006年2月号より

陣内 重郎

国立病院機構 九州医療センター 脳血管内科 医師

日本内科学会認定医
2001年鹿児島大学医学部卒業。九州大学医学部第2内科(病態機能内科)入局。
2002年九州労災病院脳血管内科医師を経て、2004年より国立病院機構九州医療センター脳血管内科医師に赴任し現在に至る。
健康Q&A
脳こうそくの前触れ(一過性脳虚血発作)とは。
健康Q&A

 働き盛りや老年の方で突然、手足の力が入らなくなる、ことばがしゃべりにくい、片方の目が短時間だけ幕が降りてきたように見えないなどの症状が急に生じて、それらが数分から数十分のうちに完全によくなってしまったという話を聞いたことがありませんか。脳を流れる血液が一部で途絶えると、その部分の脳の働きが低下し、さまざまな症状が現れます。しかし血流がごく短時間のうちに回復した場合には、後遺症を残さず良くなることとなります。この発作を一過性脳虚血発作(TIA⁄ティーアイエー)と呼びます。一過性とは24時間以内に症状が完全にもとに戻る場合を指しますが、大部分は数分から数十分、長くても1時間以内に良くなります。

 完全に良くなるのになぜ注意が必要なのでしょうか。それは、TIAを起こす人には恐ろしく危険な状態が潜んでいることが多く、約4割の方では脳の太い動脈が詰まりかけているからです。たとえば首の血管が動脈硬化で細くなり、壁の荒れた部分に小さな血栓ができ、これが剥がれて飛んでいって、脳の血管をポッと詰め、その短時間に「あらっ」という感じでマヒなどが出ることがあるのです。ところが血栓がすぐに解けたり小さくなってその先へ流れると数分後にマヒが完全に取れてしまうのです。「ああ良かった」とそのままにしていると、それから数日後にきわどく流れていた細い場所に血栓がドーンと詰まって症状がとれずに「後の祭り」になってしまうというわけです。

 これまでの研究で、TIAを治療せずに放置すると約2~3割の人が脳こうそくになってしまうといわれています。とくに、血管が非常に細くなっている、心房細動という不整脈がある、1時間以上発作が続いたなどの場合は、直後から脳こうそくになりやすく緊急事態です。その意味ではもう後がない、一度足を踏み外して崖から落ちそうになった、脳こうそくを予防するぎりぎりの状況であり、TIAの治療は「崖っぷち予防」と呼ばれます。つまり、症状が軽くても重大な警告ですから、ただちに身体の検査をして、治療をしなくてはいけません。ただしふらっとしただけとか、天井がぐるぐる回るめまい、気を失った、けいれん発作を起こした、朝起きたら腕枕の手がしびれていた、などの場合には、他の病気の可能性も十分考えられるので、すぐにTIAとは診断できません。このような場合には、まず専門医に相談し、CTやMRIなどの脳の画像検査、頸動脈や心臓も原因となりますので心電図や超音波検査などを行います。

 治療としては、体内で血栓を生じにくくする抗血小板薬が最も良く用いられます。この薬を使うと脳こうそくを起こす人が約3割も減少します。心臓に原因がある場合には抗凝固薬を使用します。頚動脈が極端に狭い場合には、頚動脈内膜剥離術や血管内治療などの手術が行われます。TIAは脳こうそくの最も重大な前触れ発作ですから、このことを知っておいてすぐに検査治療する心がけが大切です。


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