福岡商工会議所/Fukunet/経済 経営 ビジネス情報

  • ENGLISH
  • リンク
  • サイトマップ
  • アクセス
  • 本日の予定
  • お問い合わせ
文字サイズ
  • 文字サイズ小
  • 文字サイズ中
  • 文字サイズ大

脳動脈瘤

福商の活動
よかぞう 福岡商工会議所 Facebook

このページに
「いいね!」

SSL GMOグローバルサインのサイトシール

このサイトはグローバルサインにより認証されています。
SSL対応ページからの情報送信は暗号化により保護されます。

HOME >  会員サービス >  健康Q&A >  脳動脈瘤

~働き盛りの健康管理~

脳動脈瘤 2006年1月号より

緒方 利安

国立病院機構 九州医療センター 脳血管内科 医師

日本内科学会認定医、老年病専門医。1972年生まれ。
研究テーマ:脳卒中急性期の病態、超音波検査。
健康Q&A
脳動脈瘤が見つかったらどうしたらいいですか?
健康Q&A

 脳の健康診断と思って脳ドックを受けた、あるいはたまたま頭痛で検査したところ、「脳動脈瘤がみつかりました。」と言われた方はいませんか?脳動脈瘤とは脳の動脈の分かれ目などに風船のように拡張した「血管のこぶ」のことで、最近、磁気共鳴画像(MRI)の普及で見つかるケースが増えているようです。血管をゴムホースに喩えると、その部分だけが本来の動脈の持つ3層の構造がなく、薄皮一枚でふくらんでいて、普通の血管より破れやすい、というイメージです。いったん破裂すると、くも膜下腔という脳の表面の隙間に出血が広がり、突然の激しい頭痛や嘔吐、重症例では意識障害を生じ、いわゆる「くも膜下出血」を発症します。くも膜下出血になると、およそ4割の方が最初の動脈瘤破裂で死亡、約3割が後遺症を煩う、とても恐ろしい病気です。しかし脳動脈瘤が見つかっただけでは、まだ破れておらず無症状であり、これを「未破裂脳動脈瘤」と呼んでいます。

 未破裂脳動脈瘤は成人の2~4%の人が持っており、稀なものではありません。破裂する危険(破裂率)は年間0.5~2%と見積もられています。この数字でくも膜下出血を引き起こす頻度を考えると1万人あたり2~8人という計算になります。忙しく仕事をしている皆さん100人のうち2~4人は、本当はよく調べると動脈瘤をもっているわけで、「知らぬが仏」で毎日元気に働いているというわけです。福岡市は人口140万人で、年に280人発症していると推測されます。女性は男性に比べてなぜか頻度が2倍で、とくに高齢者に多く発症しています。家族内にくも膜下出血を起こした人がいれば、その血縁(一親等以内)の未破裂脳動脈瘤の有病率は高くなることから、該当者は、中高年になれば一度専門医(脳神経外科医)に相談するといいでしょう。家族歴や症状のない方では、わざわざ積極的に調べ出す必要はありません。

 未破裂脳動脈瘤は、高血圧や喫煙習慣がある方で破裂の危険が高く、発生予防にはまず生活習慣の改善が重要です。動脈瘤があると診断された方には、血圧の厳格な管理と禁煙を指導しています。

 未破裂脳動脈瘤はいったんはじけると死亡率も高く、くも膜下出血を起こしてからの手術は合併症などリスクも多いことから、危険を根本的に回避する治療が望まれます。現状では根本的治療は手術のみで、開頭クリッピング手術(血管のコブを洗濯バサミのようなクリップで摘まんで母動脈から隔離する)が基本です。最近ではカテーテルを使った血管内治療(白金のコイルを動脈瘤内に詰めて破れないようにする方法)もしばしば行われています。治療は動脈瘤のサイズや部位などでその選択が異なります。脳ドック学会では、動脈瘤が5mm前後より大きく、年齢が70歳以下の場合は手術を強く勧めるとされていますが、それより小さいものや70歳以上の場合でも、脳動脈瘤の部位や形、手術の危険度、破裂の頻度や危険度を承知したご本人ご家族のご希望により、手術を選択したり、逆に積極的な適応例を見送るケースなど、いろいろあります。これらの治療は予防治療である一方、侵襲を伴うため後遺症を残すケースも存在するからです。また手術はしたくないが、毎日の日常生活で破れないか不安でうつ状態になる方もいます。治療を受けるかどうかは脳神経外科医、脳卒中専門医に相談すべきでしょう。もしも頭のMRI検査を受けようと考えている方は「たまたま未破裂脳動脈瘤が見つかったときに自分ならどうするか」まで考えて、覚悟を決めて受ける必要があるといえそうです。


前のページへは、ブラウザの戻るボタンでお戻りください。