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お酒と脳卒中

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~働き盛りの健康管理~

お酒と脳卒中 2005年5月号より

岡田 靖

国立病院機構 九州医療センター 脳血管内科 部長 統括診療部長

脳卒中専門医、日本脳卒中学会・日本脳ドック学会評議員、日本脳卒中協会福岡県支部長。1957年生まれ。脳卒中の急性期治療と超音波・MRI診断(かかりつけ医の紹介状要)。脳卒中予防の講演活動。
健康Q&A
お酒は健康に良いと聞きますが、飲み過ぎると脳卒中になりやすいというのは本当でしょうか?
健康Q&A

 従来、「酒は百薬の長」といわれ、お酒はほどよく飲めば健康に良いと考えられています。商談をすすめる上でもコミュニケーションの促進にお酒は欠かせません。ただし飲み過ぎは肝臓の負担になるばかりか、肥満や高血圧の原因になり、ひいては脳卒中の危険を高めます。多くの研究からお酒は脳出血(脳の血管が破れて脳の中へ血のかたまりが広がった状態)を起こす危険を高めると言われています。そのリスクはお酒の量が多いほど大きく、毎日エタノール換算で24g以上(清酒で約2合)以上飲む方は、脳出血を生じる危険が飲まない方の2.5倍以上となります。脳こうそく(脳の血管が詰まって脳組織が死滅する)に関しては、全く飲まない方よりときどき飲む方(機会飲酒)の方が危険が低くなるというデータがあります。しかしさらに多く飲む方(欧米の研究で一日エタノール60g以上)はやはり危険を高め、男性で1.7倍、女性では4倍にもなります。つまり大量の飲酒は避けるべきであり、食前酒程度の飲み方(一合⁄日まで)がベストです。加えて週に1日は休酒日を設けることをお奨めします。とくに働き盛りに若くして脳出血になる方には、単身で毎日の食生活が不規則な上に、大酒飲みが多いようです。

 なぜお酒で脳出血を起こしやすいのかというと、飲酒が血圧を上げ、血液の凝固能を低下させる(血が固まりにくくなる)ことなどが関与しているといわれています。一方、ワインは健康に良いと言われています。ワインにはポリフェノールが含まれ、その作用で善玉コレステロールを増やして動脈硬化を防止し、さらに血小板という止血作用を持つ血液成分が集まる力を低下させ、血栓を作りにくくすることなどが理由として考えられています。しかし大量に飲酒すると脳の血管が縮んだり、不整脈(心房細動)を誘発したり、心臓の筋肉を変性させたり(アルコール性心筋症)、血液や血管の種々の機能が低下し、脳こうそくも増えると考えられています。また慢性の飲み過ぎは脳を萎縮させ(あたかも瓜がお酒で奈良漬けになるようなイメージ)、ビタミンB群が欠乏し、記憶力も減退させるといわれています。

 健康な状態では気づかずにグイグイと行くお酒ですが、タバコや塩分とも一緒に毎日飲むことで脳卒中を生じる危険が非常に高まります。脳卒中はいったん引き起こしますとたとえ軽症であっても、他の病気に比べて事業運営や経営判断能力の低下の原因となることがあり、一気に会社の危機を迎えることになるので予防が重要です。私は病棟回診では大酒家の患者さんに「百薬の長といえども一合まで、脳出血に飲み過ぎ多し。飲み過ぎで頭は奈良漬け、物忘れ」と説いています。毎日タバコをスパスパ、焼酎も5合以上呑んで、血圧が高いまま忙しく出張をくり返していたある会社の重役の方も、今では血圧を慎重に管理し、運動をしっかり行い、お酒はたしなむ程度で健康な毎日の生活に心がけています。適度な飲酒は自身のためだけでなく、会社のためにも重要ですね。


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